つち式 二〇一七
¥1,430
2015年より、奈良県は大宇陀の里山暮らしを行う著者、東千茅さん。鶏と暮らし、稲などの農作物を糧に生き、農業における土着的な”生”における喜びを実感し、そこでの日々の愉しさを書き記したのがこの『つち式 二〇一七』。
彼の著書である『人類堆肥化計画』はこの後に刊行されたものですが、その彼の根幹にあたる部分が、このつち式には描かれているように思います。
この一冊を通して、「十全に生きる」ということを大きな主題として掲げているように感じました。生き方の多様化が指摘される世の中であるけれど、私たちは本当の意味で"十全に"生きていると言えるのでしょうか。
俗世における人としての暮らしではなく、自然における、生き物としての人間の営みについて。その十全であるという意味を、この一冊を通して、彼の生活において体現しているよう。
これからを生きる私たちにとって、取り戻すべき何かを示してくれた一冊です。
付録冊子『追肥 〇一』では、2018年12月に開催した、人類学者 奥野克巳さん石倉敏明さんとの鼎談書き起こしと、つち式主宰 東千茅によるエッセイを収録(鼎談2万字を含む全26頁)。
--
写真・文章 :東 千茅(つち式 主宰)
写真・意匠 :西田 有輝
編集・文章 :豊川 聡士
編集 :石躍 凌摩
主宰補佐 :間宮 尊