青葱を切る
¥1,980
SOLD OUT
詩人である藤本徹さんの詩集『青葱を切る』が自費出版にて刊行されたのは2016年のこと。
約5年間に渡って紡いだ言葉を編んだこの一冊は、多くの方に愛されました。一年足らずで在庫が尽きたこの作品を、もう一度出版したい。そうした想いから2022年、大阪のblackbird booksさんが版元となって「あとがき」が書き足され、新たに刊行されたのでした。
藤本さんの言葉からは、淡い記憶のような日常の風景に、そこに映る緩やかな感情の水面が描かれているよう。詩というなかから、私たちの想像に委ねる余白と、その道筋をぽつぽつと差し伸べてくれるリズムが心地よく揺られていく。
寺田寅彦の『柿の種』もそうであるけれど、なるべく心の忙しくない、ゆっくりとした余裕のある時に、一節ずつ間を読んで味わいたい一冊です。
装画を担当されている西淑さんによるイラストは、その美しい素朴な佇まいを、そっと支えてくれています。
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著者 :藤本徹
装幀 :清岡秀哉
装画 :西淑
版元 :blackbird books