池田 彩乃 詩集『舟』
¥1,500
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書けなさの前に立っていて
言えなさの前で笑っていて
いて
ほしい
たとえようがなくて
あなたに尋ねてしまいたくなる
今
ここで
なにが起きているの
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美しい詩に出会ったときの感覚は、どう表現することのできない夢心地のようであり、じんわりと広がっていく温かさがあるように思う。心地の良いリズムは言葉だけでなく、行間や空白ひとつをとっても、読む人の心を揺すってくれる。
頁をめくると様々な世界に連れて行ってくれるこの作品は、言葉を提示するわけではなく、私たちに想像する豊かさを与えてくれる。優しい詩のひとつ一つは、何度も読み返したくなるものであり、ずっと私たちのなかで息づいていくように思います。
ふとした時にでも、暮らしのなかにこの心地よい余韻を思い出すと、穏やかな気持ちにさせてくれるのではないでしょうか。根本さんの繊細で温かみのあるイラストは、見えるようで見えないようなその朧げな世界の輪郭を、そっと差し伸べてくれるように感じました。
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池田 彩乃 / 詩
▷http://ikdayn.main.jp/
根本万智 / 装画・挿絵
▷https://kobunefune.tumblr.com/